円形脱毛症と医療用かつら

円形脱毛症と医療用かつら

円形脱毛症は突如として発症する急性の症状で、男性ホルモンや老化が関係している壮年性脱毛症とは異なり、老若男女における明確な差異はありません。つまり、子供や女性でも発症するリスクがあるということで、根治が見込めない難治性のものに進行してしまった場合は精神的に大きな負担となります。

このような場合に頼りになるのが、脱毛部位を自然にカバーできる医療用かつらです。このアイテムは、抗がん剤など副作用で髪の毛が抜けてしまうという治療を受けている人に限定して提供されていると思われがちですが、実はファッション感覚で使用しても問題はありません。

ちなみに、2010年に日本皮膚科学会が作成した診療ガイドラインによると、医療用かつらなどのウィッグは局所免疫療法が無効な多発型や全頭型、汎発型に対して用いても良いという意味の推奨度C1に分類されています。これは、紫外線や外傷防御の点で有効というだけではなく、クオリティー・オブ・ライフを改善する手段として適当だからです。

AGAと医療用かつら

医療用かつらは病気で頭髪が抜けたときに着用するかつらだと思うかもしれませんが、薄毛対策としても活用されています。AGAは進行性の薄毛であり、30代以上の男性によく見られます。少し薄くなった段階ですぐに治療をするのが理想ですが、ほとんどの方はすぐに対策をせずに放置してしまうのです。そして周りからも明らかに薄毛とわかる状態になってから医療用かつらの着用をする方もいます。かつらを使用する場合の薄毛対策は、育毛も並行していくのが基本となります。

今はAGAに効果的な内服薬や発毛剤がありますから、地道に治療を受ければ髪を増やすことが可能です。医療用かつらは根本的な解決とはならず、髪を隠すために使用されます。育毛を並行してある程度髪が復活してきたら、かつらを外すというパターンが多いです。かつら選びでは通気性がよいものを選ぶのが基本であり、通気性が悪いと毛穴つまりにより薄毛を促進してしまう可能性があります。頭皮に負担とならない軽くて蒸れにくい医療用かつらを選びましょう。